みなさんが転職を考えるきっかけ、それはいろいろありますよね。
でもそれがもし【病気】のせいだとしたら…悩みはより深刻ですよね。
今回は、数ある病気の中でも「バセドウ病」に絞って、
体調と相談しながら仕事を続けるためにはどうしたら良いか、
紹介していきたいと思います。
目次
まずは「バセドウ病」を知ろう!
バセドウ病とは、首の前部にある甲状腺の活動が異常なほど活発になり、
それにより甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、全身に様々な症状を引き起こす病気です。
自分自身を攻撃する自己免疫疾患の一種で、男性よりも女性に多く、
なかでも20~30歳代の若い女性に多いのが特徴です。
症状にはどんなものが?
- 心臓がドキドキする。
- やたらと汗をかく。
- たくさん食べても太らない。
- 目が出る。(眼球突出)
- イライラする。
- 疲れやすい。
- 体に力が入らない。
- 手が震える。
…などなど。
● 血液検査
● 甲状腺超音波検査
● 尿検査
● 心電図検査
● 甲状腺ヨード摂取率検査(甲状腺で甲状腺ホルモンがどの程度作られているかを測定する検査)
がありますよ。
治す、または症状を抑えるには??
バセドウ病の治療は、甲状腺機能を抑える薬物療法が中心になります。
治療薬は基本的に2種類しかありません。メルカゾールとチウラジールの2つです。
副作用として、肝臓機能が低下する可能性があり、その検査をしながらの投薬となります。
個人差はありますが、ほとんどの人が2~3週間で動悸などの症状が改善します。
甲状腺の機能が過剰となり、心臓に負担がかかっている状態です。
激しい運動は控え、安静にすることが第一になります。
症状が落ち着くまでは、散歩やウォーキングなどの軽い運動でも控えましょう。
また、動悸が激しくなりやすいので、長時間の入浴にも注意しましょう。
● チアマゾールとして、初期量1日30mgを3〜4回に分割経口投与。
● 症状が重症の時は、1日40〜60mgを使用する。
● 機能亢進症状がほぼ消失したら、1〜4週間ごとに少しずつ減らし、維持量1日5〜10mgを1〜2回に分割経口投与する。
● 少なくとも投与開始後2ヶ月間は原則として2週に1回、定期的な血液検査を行う必要がある。
● プロピルチオウラシルとして、初期量1日300mg3〜4回に分割経口投与する。
● 症状が重症の時は、1日400〜600mg(8〜12錠)を使用する。
● 機能亢進症状がほぼ消失したら、1〜4週間ごとに少しずつ減らし、維持量1日50〜100mgを1〜2回に分割経口投与する。
● 肝障害のある患者は、肝障害が更に悪化するおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど十分な観察を行うこと。
ちょっと怖い?!「アイソトープ治療」
放射線を発するアイソト-プを中に入れたカプセル
「放射性ヨード」を飲むという方法です。
体内に吸収された放射性ヨードの多くが甲状腺細胞に取り込まれる性質を利用し、
ピンポイントで甲状腺ホルモンを作る細胞を徐々に破壊していきます。
その結果、作られる甲状腺ホルモン量が少なくなります。
放射性ヨードから出る放射線の影響は、甲状腺だけにあり、安全な方法です。
ただし、妊婦や妊娠している可能性のある女性、母乳を与えている場合は不可となります。
治療効果が早く得られて確実性が高い「甲状腺切除手術」
甲状腺を切除する外科手術です。
甲状腺癌など腫瘍を合併した方や抗甲状腺薬が副作用で使用できず、
かつアイソトープ治療を希望しない方、甲状腺腫が大きい方等が対象になります。
再発を防止するために「甲状腺全摘術」を行うことが多くなっています。
上記を踏まえて仕事を選ぼう!!
甲状腺ホルモンが高い間は、心身に負担のかからないような配慮が望まれます。
ハードな肉体労働は、可能であれば一時的に負担の軽い作業への変更を申し出てみましょう。
事務職でも長時間で密度の高い仕事の場合は勤務時間を減らしたり、
適度な間隔で休憩を入れるなどの対処を考えてください。
すぐに転職を考えるのではなく、まずは周囲に相談してみましょう。
まとめ
「バセドウ病」と言ってもどんな病気なのか、知らない人も多いでしょう。
そのため心無い一言で傷つくこともあるかもしれません。
でも自分を守るのは自分しか出来ないと思って。
社会生活を送っている以上、ストレスから逃れることはできません。
同じ出来事でも見方を変えて、ストレスと感じないもののとらえ方や身の処し方を磨きましょう!!
今のところハッキリとした原因は不明。遺伝的な要因のほか、ストレスや過労が引き金になるとする研究者もいます。